2013年11月22日金曜日

Vol.16 Nissen愛してる(前編)


ボーっとしてたら最後のブログから3か月経過しておりました。

月日が経つのは早いですね。


たくさんの方のお手にとっていただけているようで、本当にありがとうございます。



さて、唐突ですが、これからNissenからはビタ一文もらわずにNissenを絶賛します。


Nissenを絶賛。微妙に韻を踏んでいて気持ちがいい。

今回はちょっと趣向を変えて、見出しをつけてみます。



それは靴から始まった。


Nissenとは、言わずと知れた巨大通販サイトです。

「言わずと知れた」と言いましたが、男性にはなじみがないかもしれません。

見当もつかない人は、ここに決算書の補足資料を置いておくので見てみてください。

商品単価約3,000円、1回の客単価約10,000円、

年間の売上高が1,700億ぐらいの通販会社です。



いまでは立派なNissenジャンキーの私ですが、

最初の通販購入はNissenではなかったと記憶しています。

通販で衣料品を買い始めたきっかけは、たしか靴だった。

7~8年ぐらい前でしょうか。

私の足は25cmと大きめでして、世の中の靴屋にはまだまだサイズがない。

サイズがあったとしても、値段が高いのです。

履き潰す前提の日常靴に、大枚叩けるほどの余裕、私にはございません。

困っていたところ、ネットの靴が安いよという話を聞いて、

いろいろな通販サイトを見ては靴を何足か買いました。

送料無料金額まであと少しの時、靴下や肌着を追加で買うようになり、

それをきっかけに、ここ数年はもっぱらフェリシモとNissenで服を買っています。



Nissenは逆セレクトショップ


セレクトショップとは、センスの良いバイヤーがさまざまなところから独自に買い付けた

素敵な商品が少しずつ並ぶショップのこと。女性向けファッション用品を扱う通販会社、

フェリシモが販売しているのはオリジナル商品ですが、

目をつぶったまま、どの商品をクリックしても、

ある程度おしゃれでかわいらしい服が手に入るという意味では

セレクトショップのような通販サイト(おもに衣類)です。

買付をするバイヤーの代わりに商品を企画するプランナーさんたちは

センスの良い暮らしをしているのだろうな…というのが、

商品やサイトのデザインから伝わってきます。

ブランドを作っている人間とのコミットメントが気持ち良いといったところでしょうか。

通常の服屋さんと同じ感覚ですね。



だが、Nissenはそんな生易しいもんじゃない。

言うなれば、Nissenは逆セレクトショップです。

ずらりと並んだ商品群は、私に何のライフスタイルも提案してきません。

おい、これはどうして生産する気になったんだ? と首をかしげざるを得ない服も多々ある。

だいたい、女ものの衣類だけで4,500点(足し算しました)!

その他に男物も、インテリアもある。点数だけを見ても、セレクト感覚はゼロです。

点数もさることながら、ずらっと並んだカタログ商品に一貫性は皆無。

買い付けてきた人間の顔なんか見えやしないから、作り手の誰ともコミットできない。

Nissenはそんな大海です。

ですから、購入者は腕の良い漁師にならねばなりません。

Nissenという海をアテもなくうろうろしているだけでは、

何ページもサイトを見ているうちに疲労感のみが増してきて、

いつまで経ってもカートは空のまま、ボウズの結果に終わりかねない。

まずは、大海に眠るお宝を探し当てる気概が必要です。



Nissenは、中年の最新のおしゃれを売りにしているわけではありません。

そして私の嗜好は、Nissenのメイン購入者のそれとも外れている。

その証拠に、商品を売れ筋順でソートをかけても、私の好みからはかけ離れた、

「マジかよ」という商品が眼前に並びます。

その代り、狙いを定めていねいに浚っていくと、

おおこれは! と驚嘆の声をあげたくなるような私好みのアイテムが見つかります。

これが楽しい。蚤の市で掘り出し物を見つけたような感覚です。

そして驚くほど安い。冬物でも、結構なワンピースが5,000円前後で買える。



なんだ、いまどきH&Mやforever21でもワンピースは5,000円以内で買えるじゃない!

とおっしゃる方もいるでしょう。そのとおりです。

でもなんだか派手すぎたり、縫製がイマイチだったり、店内に客が多過ぎたり、

なにより店頭で自分より20歳ぐらい若い、

スカした態度の店員にサイズの確認をして貰うのはつらい時もある。

あと、都市部だけかもしれませんが、街を歩いていると服が被ることがあります。

昨日も私が着ているのと同じZARAのコートを、

まったく異なるスタイルで着た60代のご婦人が前方から歩いてきました。

すれ違うときの、あの気まずさったらありません。

しかし、Nissenで買った服がだれかと被ったことは、

これまでの私のNissen人生で一度もない。

大海原から私が私のために選んだ服が誰とも被らないのは、

私にとっては大変喜ばしいことです。

安かろう悪かろうかといえば、そうとも限らない。

先日はNissenで買った服でテレビに出ましたが、

「素敵なワンピース着てたね!」と人から褒められました。

そんなときには得意顔で「Nissenのワンピースよ!」と答えます。

おべっかだろうがなんだろうが、かまいやしません。



ラージな女にもプティな女にも、Nissenの門戸は開かれている。


ワンピースは褒められたけれど、私のファッションセンスはいまいちです。

おしゃれな人ではありません。普通の人。普通のデカい人。

そして、Nissenはデカい女にも優しいのです。

なんてったって、10Lまでサイズがあるのですよ。10Lってなんだよ。

LLの8つ上のサイズだよ。とにかく大きいのですよ。

サイズの心配をする必要が、私にとってはまるでない。



私が子供のころは、とにかく大きなかわいい服なんて全然ありませんでした。

流行りの服は、上も下もぜんぶ小さくて、ほとんど着れませんでした。

デカい女は裸で歩けとでもいうのか! と叫びたくなるほどティーンの服がないので、

仕方なくおばさんぽい服ばかり着ていました。当時は157cm48kg、

足は23.5cmみたいのが最多の選択肢を持つ世の中でした。いまもそうでしょう。

アメリカに旅行へ行ったとき、服も靴もびっくりするほどサイズが豊富で、

ああ、私はここでは生きていてもいいんだ! と万歳したくなったのを覚えています。



かたやNissenは、とにかくラージな女(身長という意味でも体重と言う意味でも)

に優しいんですね。で、どうやら小さい女にも優しいらしい。3号からあるんですって!

一般的なSサイズが7号ですから、そこからふたつも下のサイズまであるわけです。

(一般的なアパレルで売っているサイズは、7号9号11号の3種)

「サイズが小さすぎたり大き過ぎたら、デザイナーの意図しているラインが出ない…」

そんな売り手本意な話は、ここでは置いておきましょう。

Nissenでは、152cm38kgも、175cm85kgも、同じデザインの服が着れるのです。

サイズが豊富なことは、女の服選びでとにかく一番大事なこと。

痩せればいいだろ、というのはごもっともなご意見でしょうが、

足の大きさなんてどうにかなるもんでもありませんし、

体型にしたって、日本国民全員が同じ体型である必要はないわけです。

なんで服に合わせて体を縮めたり膨らませたりしなきゃいけないんだよ、とも思います。

服や靴のサイズがないことから女が受ける精神的ダメージというのは途方もなく、

とくに背の高い女はそれだけで丈がツンツルテンになったり、

男性のお好きなぽっちゃり体型というヤツだって、150cm代のぽっちゃりには入る服でも

170cm近いぽっちゃり女には入らなかったりするわけですよ。

自分の体型のせいで、イマドキの服が手頃な値段で手に入るという経験を

十代のうちにしてこなかったアラフォーは、多いのではないかと思います。



が、時代は変わりました。Nissenという大海原が、3号から38号までの服を用意した。

H&Mやforever21にも大きい服はありますが、小さい服はあんまりないですよね。

Nissenにはありますよ。152cmから178cmにまで対応してるって。

Nissenのおかげかどうかはわからないけれど、

ラージな女たちがプティな女と同じようにおしゃれを楽しんでいる姿を街で目にするのは、

なかなか気持ちの良いものです。デブやチビに優しい市場万歳ですよ。

マジョリティーと体型が異なるから楽しめることが減ったり、

疎外感を感じたり気が滅入ったりするなんて、

ほんとはおかしいことだと思うんですよね。

入るものがないからと洋服屋の前を足早に通り過ぎたり、

試着室の外の店員に「入らなかった」以外の理由を伝えるために頭を悩ませたり、

そんな風に自分の体を後ろめたく思う女を減らしたという点だけでも、

Nissenの大胆なサイズ展開には大きな情緒的価値があると思います。




Nissen愛が溢れすぎてちょっと長くなりすぎましたので、ブログを二回に分けますね。

後編はこちらから。

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